少しだけ僕の話も聴いてほしい。

被害者ぶって話すつもりはないです。

こうなったのも全部僕のせいだから。

 

2,3年前、僕が組んでいたあるバンドの初ライブ前最後のスタジオ。

何もかも順調に進んでいたはずだったのに、次の日には誰もいなくなりました。

あんなにいい顔で笑っていたドラマーも、

音作りにとことんこだわってくれたベーシストも僕の前から消えた。

やめたくなった。何もかも捨てたくなった。

今までの僕が全て無駄になった気がしたんだ「何やってんだろ」って。

大好きだったあのバンドも、

あいつの歌も聴きたくなくなって、

気が付けば自分で歌うことさえできなくなっていた。

そんな僕を救ってくれたのは、やはり音楽でした。

とても上手とは言えないけど、

真っ直ぐで、今にも消えてしまいそうなその音楽に僕は救われました。

モノクロになった日常に色が塗られていくような。

 

音楽で世界は変えられないと僕は思います。

でも人間一人の人生くらいは変えられる。

あのバンドが、あの人の声が、あの歌の歌詞がなければ今の僕はいません。

それでよかったのかなんて僕にもわかりませんが...

でも今僕は幸せです。

「音楽しててよかった」って大声で叫べるくらい。

 

だから君にも聴いてほしいんです。

僕を救ってくれた音楽を、僕が出会った音楽を。

いつかは消えてしまうから。

繋いでほしい。一緒に。

 

「僕らの音楽を守る為の戦争」

 

君の世界を見せてよ。僕の世界も見せてあげるから。